中島恒雄氏は、2008年10月控訴審判決で懲役2年の実刑判決を受けて収監されたが、2010年7月7日に出所した翌日から、2年間の収監によっても、自身の権力が低下していないことを、二つのポイントで教職員に対して誇示しようとした。
◎ひとつは、人事権の誇示。つまり、実母範氏の東京福祉大学理事長名で幹部教職員への解職降格人事を次々と断行し、恐怖政治の裏支配体制を敷いたこと。法律上名目上の権限はなくとも、実際の『権力の所在』が自分にあることを知らしめたうえで、理事長、学長、事務局長などの重要ポストに自分が『意のままに操れる人物』を就けていった。それは今日に至るまで続いている。
◎もうひとつは、経営能力の誇示。留学生をターゲットにした120億円荒稼ぎのプランが、中島氏によって、2011年9月21日の会議で語られている。『(1500名ずつで)120億の金が入る訳だよ…研究生は10万円、レギュラーコースは20万円入学金払ってくれれば…仮合格証を出しますよと…よそ受かったら…入学金預かったのは返しますと。…留学生から見ると…行くとこが決まって、ビザ心配しなくていい、…受験して、全部落ちたら、ビザ心配せなあかんだろ。…ビザは安心ですよ、それからお金は返しますよ、というと、いっぱい来るんですよ。…だから、これ、パンフレット載っけるなっつってんだよ、まねするから…よその大学が』という。
このような、管理体制が追い付かないほどのカネ儲け主義が、今回の研究生大量所在不明発生に繋がっている。(田嶋清一)